ブラジル紹介: バイオエタノール


アルコールはエタノールと同義ですが、バイオマス(バイオマスとは生物資源と量を表す概念で、一般的には「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」をバイオマスと呼んでいます。そこで砂糖キビやトウモロコシ等)の糖分を発酵して生成されるアルコールをバイオエタノールといいます。

バイオエタノール燃料は地球温暖化対策の一環として、化石燃料の一部を代替することによって、二酸化炭素排出量を削減することを目的としています。

京都議定書で決めた二酸化炭素排出削減ルールでは、バイオ燃料は植物や木材の成長過程で光合成により二酸化炭素を吸収しているため、吸収したものを燃焼により排出するので地球上の全体量としては排出量±ゼロと言う考え方により目標達成に寄与します。

太陽と水があれば育成可能な植物は、枯渇が心配されている化石系原料に対してリニューアブル(持続的利用可能)な原料として位置づけられています。

2003年12月、日本政府は石油代替で環境に優しいバイオ燃料を推進する「バイオマス・ニッポン総合戦略」を策定し、自動車用燃料としての利用を進めるためのバイオマス研究が進められていますが、石油業界の抵抗は強いようです。

ブラジルはバイオエタノールの原料になる砂糖キビの主要生産国です。
砂糖キビは、アルコールと砂糖生産の他、化学繊維、塗料、ニス、瓶・管、溶剤、プラスチック等などの各種化学製品や薬品の原料として使われているようです。
これは砂糖キビが石油系化学製品群を代替できる可能性を秘めていることも示しています。

ブラジル地理統計資料院(IBGE)によると,ブラジルにおる砂糖キビの栽培面積は510万haで、年間生産量は約4億トンにも及び、主産地のサンパウロ州では全国生産量の58%以上を占めて断トツです。
全国平均収穫量は 71㌧/haであるが、南部、東南部および中西部では生産性が高く,サンパウロ州やパラナ州やゴイアス州では 80㌧/ha のようです。

燃料エタノールであるブラジルの商業用燃料エタノール生産は、国家アルコール計画と共に1970 年代の石油危機を契機に開始されました。
当初は少量のエタノール生産を行う約100 の工場が、主に東北部とサンパウロ州に設置されたが、アルコール計画の開始によって砂糖キビ圧搾・製糖工場は、エタノール生産を行うことを条件に、より大きい設備設置のための融資を受けることが出来るようになり、次第に大規模な工場が建設されて、12 万~18 万㍑/日の生産能力をもつ工場が一般的になったようです。

その後、ブラジルの多くの砂糖キビ圧搾工場は,砂糖,含水エタノールと無水エタノールを同時に生産するようになり、製糖とエタノールの併産ラインをもつような汎用的な大規模システムの構築が促進されました。

現在,ブラジルには284 のエタノール生産工場があり、そのうち234 は含水エタノールと無水エタノールの両方を生産しています。

ブラジルにおける燃料エタノールの年間総生産量は約12百万キロリットル(kl)で、1990 年代からほぼ一定に保たれています。
しかし,アルコール車の減少により含水エタノールの生産が減少し、無水エタノールの生産が増加する傾向にあるようです。
ブラジル最大のエタノール生産量は15.5 百万kl/年(北部・東北部:2.2 百万kl、南部:13.3 百万kl)は1997~1998 年に記録されているが、その後、砂糖の世界的需要増加によりエタノール生産はやや減少しているようです・・・。

昨今、地球温暖化対策の一環として世界的に注目を集めているバイオエタノールへの要求が高くなれば、ブラジルへの期待感も高まり、砂糖キビ(約4億トン)やトーモロコシ(約5千5百万トン)の生産量の拡大要求と共に、アマゾン熱帯雨林の開発による森林資源の減少が危惧されています。

今回はバイオエタノールとブラジルのバイオエタノール生産状況を紹介してみました。

1984年7月にベレン国際空港に到着し、タラップに第一歩を踏み出した時に、ムッとした熱帯の湿度の高い熱気と、異様な臭いに驚いたが、後でこの時の臭いが市内を走っているアルコール車の排気の臭いであったような気がした。
ブラジルは当時すでにアルコールを燃料にした車が走っていたのです。
ガソリンスタンドに、アルコール給油口とガソリン給油口が並んでいたのにも驚いたものです。
ベレン国際空港と言っても田舎の空港で、当時はタラップ式で乗り降りしていました。雨の時は航空会社の職員がタラップの上や下で傘を乗客一人一人に手渡してくれて風情がありましたよ。



ブラジルのエタノール燃料生産工程

砂糖キビ+酵母 → 発酵工程 → 蒸留工程 → 含水エタノール → 脱水工程 → 無水エタノール

*日本では、無水エタノールは、エタノールが99.5%以上のものを言う。
*消毒エタノールは、エタノールが76.9~81.4%含有するもの言う。
*エタノールは、エチルアルコールの略です。

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by wagahai_tt | 2008-02-17 09:03 | ブラジル紹介 | Comments(20)
Commented by kmaroon at 2008-02-17 15:44
勉強になります^^
地球にやさしい燃料は嬉しいのですが、
それに伴う値上げは、
家計を圧迫して、辛いものがありますね・・
Commented by koyomi-w at 2008-02-17 17:05
知らなかったことが、あ~そうなのか~、ですが、
かなり難解でした。
地球をきれいに、地球の温暖化防止に関するお話ですね。
Commented by wagahai_tt at 2008-02-17 19:23
マロンさん、こんばんは・・・・。
そうですね、値上げは家計を圧迫するし辛いですね。
でも同じ辛さなら地球に優しい方が良いですよね・・・。
最近は政治・経済・食料等にも問題が出ていますね。
記事を書いていて勉強になりましたよ。
Commented by wagahai_tt at 2008-02-17 19:49
koyomiさん、こんばんは・・・。
そうですね、知らなかったこともあったでしょうね。
今回、記事を書きながら改めて理解したり勉強したりですよ。
地球温暖化防止のためにAsfloraも植樹活動をしています、
これからもAsfloraの応援もよろしく・・・。


Commented by sumiko at 2008-02-17 21:12 x
こんばんは♪
エタノールと言えば、消毒エタノールしか知りませんでしたし
ブラジルに生産工場のある事も・・・知らない事ばかりです
地球の温暖化防止は叫ばれていますが、ささやかでも一人一人の
努力も欠かせませんね。
Commented by wagahai_tt at 2008-02-17 22:31
sumikoさん、こんばんは・・・・。
ブラジルの砂糖キビ生産は世界一でしょうね、しかも以前からアルコールで車を走らしていましたよ。
地球温暖化防止のエタノールは京都サミット以降注目され始めましたよ。
大きなプロジェクトも必要だが、ささやかな一人一人の意識と努力が重要でしょうね。
sumikoさんの言う通りだと思いますよ。

Commented by yukun588 at 2008-02-18 08:13
砂糖キビを育てるのには1年半くらいかかり、5年程度収穫すると土地が痩せてしまい、肥料を入れるか、他の畑を作るしかないようですが、焼畑が手っ取り早いので、どんどん土地が荒廃していくのですね~。
ブラジルでは20年以上アルコール燃料車が走っていて、ガスタンクもプラスティックですね、アルコールに水が混じっているのでタンクの腐食防止と軽量化が目的でしょうが、衝突事故でタンクが破裂し易い気がして怖いです。
Commented by wagahai_tt at 2008-02-18 09:39
yukunさん、おはよう・・・・。
アマゾンで痩せた土地に堆肥を入れて再利用するのは、
時間も費用もかかるので、彼等は安易に肥沃な土地を開拓します。
それが熱帯雨林が減少する主要因ですね。
このように捨てられた荒廃地が、60万haもあると言われています。
ブラジルでのアルコール車の歴史は長いですね、当時は乗っていましたよ。
アルコール燃料は政府の補助もあったようで、ガソリンより安かったが、
消費が多いようで、燃料タンクは大きかったようですね。
馬力もガソリン車には劣っていたようです。
結局、我々はホンダ・トヨタの日本車にしたのでガソリン車になりましたよ・・・。

Commented by vangino at 2008-02-18 19:53
こんばんは
代替燃料として最近日本でも話題になっている
エタノールについて大変勉強になりました。
ただ食物から代替燃料を作ることには多少疑問を感じますね。
もちろん化石燃料の消費よりは歓迎ですが・・
今日のTVでブラジルからの鉄鉱石が08年度65%値上げの
ニュースが流れていました。
いろいろ考えさせられるコトが増えてきましたね。
Commented by wagahai_tt at 2008-02-18 21:10
\vanginoさん、こんばんは・・・・。
最近食料についての話題が多いですね。
国内の偽りもあるし、毒入り餃子もあるし、と食料について話題は豊富ですね。
そのような食物を原料にしたエタノールには多少疑問があるかも知れませんね。
だが、いずれは底をつく化石燃料より、再生可能な植物燃料の方が、
今後の人類の生存には有効かもしれませんよ。
ブラジルの鉄鉱石の値上げがあるのですか・・・?
いずれ地下資源には限界があるでしょうね・・・。
今後考えさせられる問題ですね。

Commented by seisuis at 2008-02-18 23:10
こんばんは~
地球温暖化!今の私にとっては少しでも、暖かい事を望む毎日ですが・・・(汗)でもそんな問題じゃないですよね^^;
勉強になりました!
Commented by rin-koko at 2008-02-18 23:17
こんばんは。
ほぉー、やっと読みました。
何だか、すごい難しい話ですね。
要するに、資源を大切にという事ですね。
こんな記事を書く、wagahaiさんを尊敬してしまいますわ。
Commented by pazz at 2008-02-19 00:09 x
バイオ燃料はとても魅力を感じます。
我々もベレン時代はアルコール車を使っていました。格安でしたもの・・・
また、友人の話では、遠出をする時にはスーパーで売っている掃除用(消毒用ですかねぇ)のアルコールを予備燃料として持って出かけていたとか・・・本当でしょうか?もし本当ならちょっと怖いですね。
 バイオ燃料と聞いて、我が家での話。今日本では竹林の繁殖が強く、木々の成長を妨げています。そこで、竹からバイオ燃料は取れないものか・・・と話していますが、如何なものでしょうか?
物知りwagahaiさんのお知恵を拝借。
Commented by wagahai_tt at 2008-02-19 07:31
seisuisさん、おはよう・・・。
最近寒いね、早く暖かくなって欲しいね・・・(笑)。
寒い中でも、行動力豊かなseisuisさんには感心しているよ。
地球温暖化問題は、今後益々話題になるでしょうね・・・。
Commented by wagahai_tt at 2008-02-19 07:53
凛さん、おはよう・・・・。
>ほぉー、やっと読みました。
全部読んでくれたのですか、ありがとう。お疲れさん・・・・。
農作物を原料にしているバイオは、日本のように食糧自給率40%の国には難しい問題ですね。
世界人口66億人の全員が満腹しているわけではなく、飢えている人口も多い現在では、農作物からのバイオ燃料は難しい問題ですね。
今、何を優先し、何を選択するかは難しいね・・・・。

Commented by wagahai_tt at 2008-02-19 08:29
pazzさん、おはよう・・・・。
再生可能なバイオ燃料は魅力がありますね。
ベレン時代はアルコール車に乗っていましたよ。
ただ、遠出の時に消毒用のアルコールを持って行った事はないですがね・・・・。
かなり純度に差があるようなので、事実なら驚きですが、緊急避難には役立つかも知れませんね。
竹からバイオ燃料が作れるかどうかはわかりませんが、現在では糖質や澱粉質以外のセルローズからバイオ燃料を作る研究が進んでいるようですよ。
この研究が進めば、自分の身の回りや、地域の中から原料を見つける事が出来るようになるでしょうね。

Commented by mitchi-jul at 2008-02-20 15:03
久々の訪問ですが、地球温暖化対策にかかわる大切な内容ですね。
昨年の猛暑も地球温暖化の関連記事を目にしましたが、これは世界中が同じ意識を持たないと防ぐこては出来ませんね。
Commented by kaorin at 2008-02-20 19:21 x
こんばんは♪
エタノールの知識なんてこれっぽっちしかありません。
地球温暖化、心配ですね。
ブラジルの車はアルコール燃料で走っているのですか。
温暖化対策にもっともっと力を注いでもらいたいと願っています*^-^)
Commented by wagahai_tt at 2008-02-20 20:19
mitchi-julさん、こんばんは・・・・・。
そうですね、地球規模で同じ意識を持たないと、難しい問題ですね。
各国の思惑もあって共通認識が出来てないですね。
バイオエタノールもそれ自身はいいのですが、原料確保には色々問題がありますね。
その為に森林破壊されても困るし、食糧難の国民も多い時代に、食料をアルコールに使って良いのか・・・?など等、両刃の剣のようですよ。

Commented by wagahai_tt at 2008-02-20 20:54
kaorinさん、こんばんは・・・・。
バイオエタノールの知識はみんなこれっぽっちですよ。
温暖化問題は難しい問題ですね。

ブラジルは20年以上前からアルコールで車を走らしていましたよ。
その点は世界一でしょうね。
温暖化対策に先進国・発展途上国共に力を注いでもらいたいですね。

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