ブラジル紹介:パラー州の紹介 4 パラー州の特産品


沢山あるパラー州特産品の中で一部を紹介します。

1.農産物

パラー州の主要農産物の一つは、1933年に日本人移住者が導入した胡椒です。ブラジルは世界第4位の胡椒生産国ですが、今ではパラー州の胡椒生産量はブラジル全体の9割を超えているようです。
その他、バナナ、パイナップル、アセロラ、マラクジャなどの熱帯果実や、チョコレートの原料になるカカオ、石鹸や食用油の原料になるデンデ(パーム)椰子、健康飲料に使われるガラナも重要な農産物です。
最近ではトメアスでカムカムも作り始めていますが、まだ微々たるものです。カムカムはビタミンCを豊富に含んでいるので、今後脚光を浴びる果物になるでしょう。
(果汁100gのビタミンC含有量:カムカム2,800mg、アセロラ1,300mg、レモン44mg)

パラー州の2000年の主要農産物と国内シェアーは以下の通りです。

(主要作物)       (収穫量)  (国内シェアー・州別順位)
米             40万トン   (3.6%  5位)
マンジョカ芋       408万トン   (17.7% 2位)
トウモロコシ       53万トン   (1.6%)
砂糖キビ         52万トン   (微々たる量)
フェィジョン豆      4万7千トン  (1.5%)
胡椒            3万4千トン  (86.5% 1位)
カカオ           2万8千トン  (14.4% 2位)
パーム椰子        52万トン   (76.2% 1位)
ジュート麻         500トン    (37.5% 2位)
バナナ           7千800万房  (13.7% 1位)
ココナッツ         1億5千万個  (11.9% 3位)
パパイア         4千500万個  (2.6%  3位)

ブラジル全体の砂糖キビの生産量は数千万トンから数億トンと言われているので、パラー州の生産量は微々たるものです。
尚、パラー州では採集産業と呼ばれる熱帯雨林に自生する植物や果実の採集も重要な経済活動で、野生ゴムや、カスタニァーナッツ(2000年の生産量9千トンはブラジル全体の26.7%で州別1位)は20世紀前半のパラー州経済を担う存在でした。
現在では、パウミット(2000年1.6万トンで93.2%)と言うヤシの若芽でサラダの材料などに使わる食材であり、輸出もしているものでパラー州経済に貢献しています。
アサイ(2000年11万トン、92.5%)はアサイヤシの実でジュースにして飲用したり、アイスクリームにして食べたり、鉄分を多く含む健康食品として最近ブラジル南部でもブームになり、トメアスからはジュースにして米国にも輸出しているので、今ではアサイもパラー州経済を支えるようになっています。

これらはいずれも水辺地帯や奥地で生活する貧しい住民の貴重な現金収入源になっています。

2.鉱業

パラー州は鉱物資源が種類、量ともに豊富な州であり、鉱業生産額はミナス・ジェライス州に次ぐ額となっています。ミナス・ジェライス州は17世紀後半の金の採掘に始まり、常にブラジルの鉱業界をリードしてきた伝統的な鉱業州です。
パラー州の鉱業開発は70年代に着手されたばかりで、今後既存事業の拡大や新規事業の実施が計画されているところから、数年後にはブラジル随一の鉱業州になるものと期待されています。

パラー州の主な鉱物の推定埋蔵量及びブラジル全体に占める推定埋蔵比率は次の通りです。

(鉱物)       (推定埋蔵量)  (推定埋蔵比率)
ボーキサイト     12.7億トン    (85.4%)
タングステン      168万トン     (83.0%)
銅           4.7億トン     (63.1%)
水晶          4.7万トン     (59.7%)
マンガン        4.4万トン     (38.8%)
カオリン       2.6億トン     (37.0%)
鉄鉱石         23.4億トン     (20.0%)
ニッケル        4.4万トン     (16.6%)
鈴           3.4万トン     (10.9%)
金           4,319トン     (8.0%)

この他、鉛、クロム、ダイアモンドなどの埋蔵も確認されています。
ボーキサイト、カオリンを除くこれらの鉱物資源のほとんどはベレン市から南西約540kmのカラジャス山地に埋蔵されています。1967年、州南部の山地で世界有数の規模と見られる鉄鉱石の大鉱脈が発見されました。その後の調査で鉄鉱石のほかにも、マンガン、銅、ニッケル、金などの鉱物資源が豊富に埋蔵されていることが確認され、更に、自然条件に恵まれた同地一帯は熱帯性農産物、森林資源や牧畜業の開発に大きな潜在力を持っていることも判明しました。 
日本は82年から85年にかけて農林・鉱業産品の開発可能性に関する開発調査協力を実施しました。
ブラジル政府はこの地域の資源開発及び農鉱業進行を国家事業として推進する為に80年、パラー州、マラニョン州、トカンティンス州の3州にまたがる約90万平方キロ(日本の国土面積の2.4倍、ブラジルの全国土の10.6%に相当)の地域を対象に「大カラジャス計画」を発足させました。
カラジャス鉱山で採掘された鉱物は、マラニョン州サン・ルイス市ポンタ・ダ・マデイラ港(28万トンの鉱石専用船の接岸が可能)まで、全長890kmのカラジャス鉄道(85年開通)によって運搬されています。
尚、これらのインフラ整備に要した資金は35億ドルで、日本は官民合わせて5億ドルを融資したようです。


* 鉄鉱石
鉄鉱石の採掘は「大カラジャス計画」の中核で、97年に民営化されたヴァ―レ・ド・リオ・ドーセ社が行なっています。
1986年に発掘を開始、1990年には当初目標の年産3,500万トン体制を確立しました。2000年の採掘量は4,860万トンで、ブラジル全体の約20%強を占めています。
90%が日本、韓国、ドイツ、米国、アルゼンティン、中国などに輸出されますが、日本はカラジャス鉱山の鉄鉱石の最大の輸入国です。


* 金
カラジャス山地やアマゾン河支流のタパジョス河流域などで採掘されています。1998年、ブラジルの金の全発掘量49トンのうち、パラー州は14.9トンで1位を占めました。2000年は公表11トンでしたが、脱税などのために横流しされた金も多く、実際の発掘量はこの数倍に達すると言われています。
金の採掘方法にはガリンポと呼ばれる人力式と、機械式があります。1983年ごろには、カラジャス鉱山のセーラ・ペーラーダ地区に6万人とも言われるガリンペイロ(採金夫)が押し寄せるゴールド・ラッシュが話題になりました。
当時同地区の採掘量は年間30トンを超えていましたが、地表面層の金脈の涸渇化や金価格の低下などで年々採掘量は減少し、現在は最盛期の10分の1にまで落ち込んでいるようです。
ガリンポ方式の採掘は、不純物から金を分離する際に使用される水銀が川に垂れ流しにされて河川を汚染するなどの環境問題も引き起こしているので、将来この地域で水俣病のような水銀による病気を発生しないか心配しています。
機械式採掘は1990年にカラジャス山地のイガラペ・バイーア地区でリオ・ドーセ社が始め、1994年以降はガリンポの採掘量を上回るようになりました。


* カオリン
カオリンは高級紙のコーティングや陶器の艶出しに使われる粘土状の鉱物で、パラー州とアマパ州の州境近くのジャリ地区やパラー州東部カピン川流域で採掘されています。
カピン地区では2社の採掘事業があり、1社はフランス系のイメリス・リオ・カピン・カオリン社(住友商事が資本参加)で、1997年操業開始、2001年には年60万トン体制を確立した。
地下に埋設した169kmのパイプラインで積出港のバルカレーナまで輸送します。
他方、リオ・ドーセ社の子会社パラー・グメントス社(三菱商事が20%資本参加)は、2001年には前年比15%増の36.3万トンを採掘し、95%を欧州諸国に輸出したようです。
高級紙を燃やすと白い灰のようなものが残るが、これがカオリンです。


上記以外にも 畜産業、林業、水産業がパラー州の経済を支えています。
パラー州政府は、今後の州の産業基盤を農業・鉱業・観光の三本柱とする方針を打ち出しています。
更なる発展が期待できる州になるでしょう。




*参考文献:http://www.camaradopara.com.br/para_main02.htm
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by wagahai_tt | 2008-01-22 08:05 | ブラジル紹介 | Comments(12)
Commented by sumiko at 2008-01-23 11:00 x
おはようございます♪
農産物や鉱物資源が、豊富にあるブラジルなのですね(@_@)
知らない事が沢山有ります
ビタミンC豊富な、カムカムと言う果物の存在も初めて知りました
>カオリンは高級紙のコーティングや陶器の艶出しに使われる粘土状の鉱物で・・・
この事も初めて聞く名前です。
大変勉強になりました、有難うございますm(__)m
Commented by wagahai_tt at 2008-01-23 11:57
sumikoさん、こんにちは・・・。
このように調べてみると、いろんな鉱物資源を豊富に埋蔵している州ですね。
森林資源も豊富で、今後発展するだろうポテンチャルを持っている州です。
カムカムはビタミンCを豊富に含んでいるので、かなり酸っぱいですが、美貌と健康に良い果物ですよ。
現在日本で販売されているカムカムはペルー産が多いようです。
フジモリ大統領時代に国策としてカムカムの栽培を奨励し、麻薬の栽培からの転換を図ったようですよ。

最近日本では再生紙の偽証表示が問題になっていますが、
カオリンは高級紙の表面コーティングに使っています。
製紙チップが森林破壊と言われているケースもありますが、
殆どがユーカリ等の商業植林木を使用しているので、
森林破壊には結びつかないと思いますよ。

Commented by yukun588 at 2008-01-23 16:44
アサイの入ったガラナミックスジュースはゴルフのラウンドに欠かせませんね。 最近はアサイのシャーベットをよく買ってきて食べています。
お陰で目の疲労が軽減され、ブログが少し楽になりました(笑)。

これだけの鉱物資源を持っているのに硬貨がどれも鉄製なのは本当に不思議な国ですね!?!

こちらのモジ市でもカオリン鉱石を発見した人が居て大儲けしたお金でリゾートホテル付きのパラダイスGCを造ったと聞いています。
紙の艶出しに使うのですね~!
Commented by wagahai_tt at 2008-01-23 18:48
yukunさん、こんばんは・・・・。
最近アサイジュースがブラジル南部でも重用だれているのを聞いて嬉しく思っていますよ。
当時はよく食べましたが、今では懐かしく思っています。
次回訪問した時は鱈腹食べますよ。

パラー州の鉱物資源の埋蔵量には驚きです。
鉄はブラジルの鉱物資源の根幹ですよね。

以前ダイヤモンドを採掘している場所で、住民が立ちションしたら光っている石が出てきて、デカイ原石だった話を聞きましたが、立ちションもしてみるものですね。
Commented by rin-koko at 2008-01-23 21:30
こんばんは☆
バラー州の特産品はたくさんあるのですね。
知らない事ばかりで、大変勉強になりました。
一番興味深かったのは、金の事です。
>将来この地域で水俣病のような水銀による病気を発生しないか心配しています。
これは怖いですね。考えさせられる事でした。
Commented by wagahai_tt at 2008-01-23 21:58
凛さん、こんばんは・・・。
アマゾンのパラー州には埋蔵された鉱物も沢山あり、知らないことも多いですね。
金に興味が湧きましたか、さすが若い女性ですね・・・。
ガリンポと言う方法は水銀を使うので、流域には水俣病の危険性を心配しますよ。
水質汚染は怖いですね、知らずに川の水を飲んでいる人もいるのですから・・・。
ただ、アマゾンの流量は多く、流速も早いので、すぐには発症しないと思いますが、長年経つと分かりませんね・・。
Commented at 2008-01-23 23:00 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by wagahai_tt at 2008-01-23 23:26
sumikoさん、こんばんは・・・。
そうだったのですか・・・、失敬な奴ですね。
自然を独り占めできる人は誰もいません。
自然は皆のもので共有しているものですが、瞬間を切り取った写真は、
誰のものでもなくsumikoさんのものですよ。
自分の写真にコメントをつけるのだから自由ですよ。
地球は広いよ、その中にはいろんな奴がいますよ。
気にしないことですね、無視しよう・・・。
今流行の「そんなこと関係ねぇ~」と言ってやりなさいよ。
Commented by vangino at 2008-01-24 19:50
こんばんは
資源に恵まれたバラー州はこれからもっと
発展してゆくんでしょうね。
未来が明るいと思えるところはいいいですねー。
日本では未来に希望が持ちにくいですから・・
Commented by wagahai_tt at 2008-01-24 20:04
vanginoさん、こんばんは・・・・。
そうですね、仰るとおりで今の日本に希望は持ち難いですね。
政治も、経済も、教育も、治安も全て不安になりますね・・。
それでも希望を持って行かなければ・・・・。

パラー州は今後発展するでしょうね、それだけのポテンチャルを持っていますよ。
Commented by カエル at 2008-01-25 00:50 x
カオリンって顔のパックに使いますよ。
粉末のカオリンに水を加えてどろどろにして塗るんです。
毛穴の汚れがとれてすべすべです。

アサイー、私も好きですけど、やっぱり本場のNordesteに行って食べるのが一番でしょうね。
Commented by wagahai_tt at 2008-01-25 06:37
カエルさん、おはよう・・・。
カオリンを顔のパックに使うの・・・?
初耳だけど、粒子が非常に小さいので良いのかも知れないね。
毛穴の汚れが取れてすべすべになるのなら文句ないね。

アサイは最近サンパウロでも食べられるようですね。
本場Norteで食べれば、新鮮でしかも気候も気温も違うので、
別の趣があるでしょうね・・・。
一度お試しあれ・・・。
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