「ほっ」と。キャンペーン

2011年4月12日、13日 トメアスーでの研修

f0096068_565226.jpg



Asflora 4月度の活動報告を紹介します。

トメアスーでの研修

Asflora(アマゾン森林友の協会)では、足掛け4年間、零細農業者への森林農業普及支援を行っています。このプロジェクトは、日本のNPO地球と未来の環境基金(Eco Future Found)、緑の募金(ミキモト社の助成)によるご支援を得ています。

その成果は、決して大きなものではありませんが、現在支援中の開拓部落エスペジット・リベイロの入植者協会からはとても喜ばれています。今年は、その入植者の人たちに森林農業(アグロフォーレスト)への理解を深め、この農業システムが生活向上になることを先進地域で研修してくることを年間計画の中に組み込みました。日系人の運営する、トメアスー農協、トメアスー文化協会の力強いご協力を得られ、エスペジット・リベイロ部落のあるサンタ・バルバラ市EMATER(州農業指導所)からも積極的な協力を取り付けられ、4月12日(火)、13日(水)の丸2日間で、研修旅行が実現しました。

参加者は、部落の人たち14名、EMATERから3名、Asfloraからは2名の計19名でした。
f0096068_594379.jpg

12日午前10時からトメアスー文化協会会館で、アグロフォーレスト研修会が始まりました。
上の写真中、マイクを持って話している人はアントニオ・ブラガ氏(EMATER本部のスタッフ)で、今回のAsfloraのイニシアチブとトメアスー側の協力を絶賛してくれました。
f0096068_5104275.jpg

会館では、併設されている移民資料館を見学し、トメアスー移住地の82年間の歴史を知りました。開拓初期にマラリアで多くの犠牲者を出したことなど、数々の入植者たちのご苦労に思いを馳せました。

f0096068_5121966.jpgf0096068_512385.jpg









昼食後、トメアスー第4区という地区で、5年前からトメアスー農協、文協によるアグロフォーレスト支援を受けているコミュニティを訪ねました。ここでは、三井環境基金(左上写真)と緑の募金(右上写真)による家族農業支援助成金が活かされていました。

f0096068_5154677.jpgf0096068_516528.jpg








左上の写真、左端がここの生産者協会の会長ジョゼ・マリア氏。5年前から組合理事 小長野さんの指導を得て、15人が力を合わせて営農向上に取り組んでいます。彼の畑(右上写真)は、15ヘクタールにアグロフォーレスト・システム(SAF)を導入し、マラクジャ(パッションフルーツ)、胡椒、クプアスー、カカオ、アサイ椰子の実などの生産が始まっています。今年の粗収入は、10万レアイス(500万円余)が見込めるとのことです。以前は、フットボール(サッカー)で汗を流していたが、もう仲間も含めてそんな時間が無くなったので、フットボール場は潰してしまったと笑っていました。
f0096068_5203536.jpg

写真上)36年経ったアグロフォーレストの畑(森)を見せて貰いました。カースターニャ・ド・バラの大木を見上げています。ここで、小長野道則さんから、森をつくる農業、アグロフォーレストについて説明を受けて、みんなすんなりと理解をすることが出来ました。

f0096068_5215171.jpgf0096068_522756.jpg








この日最後の訪問地は、小長野道則さんのお兄さん(左写真中央の帽子を被った方)の農場でした。ここでは、カカオとアサイ椰子の混植が見事です。農場全体に灌水施設が行き届いています。アサイの実は、需要が多く引っ張りだこですが、端境期にも灌水によって収穫を上げ、良い値段で販売していると説明を受けました。

f0096068_5244254.jpg左写真)カカオの発酵槽です。チョコレート原料のカカオ豆は、1m高の木枠の中に果入れられてバナナの葉で覆い4日間発酵させた後に乾燥させます。最近、明治製菓がトメアスー産限定カカオ豆使用のアグロフォーレストリー チョコレートを売り出しています。



f0096068_5265180.jpgf0096068_5271927.jpg







カカオの実(左写真)と、トメアスーのカカオ豆で作られたチョコレート(右上)です。包装には「森をつくる農業」で栽培されたカカオ豆と記されています。




翌日13日は、朝7時半に宿舎を出て小長野農場に8時に到着、11時まで農場を見学させていただきながら、とても分かりやすく心のこもった説明を小長野道則さんから聞かせて頂きました。
f0096068_5323987.jpg

農場では、SENAR(農村教育機関)による安全講習会が開かれていて、訪問した私共を紹介してくれました。その場で、エスペジット部落の人たちにも、SENARの各種農村講習の仕組みを説明してくれました。

f0096068_5341183.jpgf0096068_5342757.jpg









小長野さんからカカオやクプアスーの接ぎ木(左写真)の仕方を教えて貰いました。収穫量、生産性の向上への経験談、全員真剣に耳を傾けていました。

f0096068_5385824.jpgf0096068_5391648.jpg









写真左上)受講者たち、畑でもらった、実が大きく耐病性の高い優良種のカカオを、抱えています。種を取って、各自苗木を育て、畑に植えると意欲を膨らませました。
写真右上)カカオ園の土は、このようにミミズが沢山居て、ふかふかの団粒構造の土になっていることの説明も受けました。各肥料要素の説明、施肥の方法など大変分かりやすい説明でした。 実学に則った素晴らしい小長野さんの農業知識と、200ヘクタールの農場経営で立派な収益をあげている姿に、にみんな魅了されたひと時でした。

昼食後、午後1時から1時間、高松寿彦氏(下写真右端)の農場を見学しました。高松さんは、JICAアマパ州プロジェクトで、アグロフォーレスト指導を足掛け5年も続けておられます。自然農法による養豚を導入して、その普及にも努めている方です。
f0096068_5435062.jpg

写真上)ここは、油椰子をバナナ、カカオ、インガ(樹木)、アサイその他と混植をするアグロフォーレスト実験圃場。化粧品会社Naturaによる委託試験圃場で、2年が経過したところです。2haの試験区2カ所があります。森のような農場(左下)を見せてもらい、自宅前で記念写真(右下)を撮りました。
f0096068_5455891.jpgf0096068_5461327.jpg









高松農場の後は、トメアスー農協のジュース工場と「十字路」にある組合倉庫、搾油工場を見せて貰いました。

f0096068_549011.jpgf0096068_5492544.jpg









クプアスーが大量に入荷していましたが、工場内では、ゴヤバ(グゥアバ)が加工中でした。この工場から、日本にもアサイ果汁を主に年間1千トン以上が輸出されています。冷凍倉庫は2,400トンもの貯蔵能力があります。下右の写真は、日本向け出荷中のアサイ果汁で、JAS有機栽培認証を得ている製品でした。
f0096068_5534661.jpgf0096068_554551.jpg



 





ジュース工場から、バスで7分のトメアスー農協(CANTA)本部に行き、まず倉庫を見せてもらいました。そこには、胡椒が山積み(右上写真)されていました。この倉庫、屋根のスパンが広い(20m?)のですが、木製の骨組みで波打つこともなくしっかりしています。相当古い建物ですが、聞けば日本人大工の手によるものということでした。
f0096068_5592960.jpgf0096068_5594912.jpg









次いで、搾油工場を北島アウグスト工場長の案内で見せて貰いました。クプアスーの種子から搾油中(右上)で、澄んだオイルがドラム缶に詰められて、ブラジルの大手化粧品会社Natura向けに送られていました。ジュースを絞った後、昔は堆肥になっていたものを原料にして、今は注文に応じきれないほどという嬉しい悲鳴を聞きました。アンジローバの種子も沢山入荷していて、この油も注文が多いということでした。エスペジット・リベイロでもAsfloraはこのアンジローバの苗を沢山配っています。5~7年後から種子が取れるようになったら、この工場で買い取ってくれそうです。


f0096068_63578.jpgf0096068_641850.jpg









今回の訪問研修の最後は、搾油工場に付属する原料種子倉庫でのお別れの挨拶でした。
Asfloraを代表して、佐藤からは小長野さん、鈴木エルネストさんたちが、回りの農民の人たちが幸せになることを自分の幸せとして行動されていることを見せて頂き、とても心が温まったことを伝えました。

本当に、組合、文協の方々お世話になりました。忙しい中を、我々の訪問日程のために労を惜しまず準備して下さった、鈴木エルネスト氏(左上写真の右端)、文協の松崎氏、組合理事の小長野氏をはじめ訪問先の皆様、本当にありがとうございました。EMATER(州農業指導所)のバス手配と随伴へのご協力にも深謝します。エスペジット・リベイロ入植地のミランダ会長他、熱心に研修を行った参加者にも、その意欲に敬意を表します。
4月19日には、今回の訪問成果を部落で披露する集会を持つそうです。今後の入植者の人たちの頑張りぶりが、とても楽しみです。

                 ASFLORA‐Instituto Amigos da Floresta Amazônica
                               アマゾン森林友の協会
                               佐藤卓司(文)

[PR]
by wagahai_tt | 2011-04-24 06:09 | Asflora
<< ブラジル紹介:面白い出来事・印... ブラジル紹介:面白い出来事・印... >>