ブラジル紹介 : 面白い出来事・印象に残る事柄etc.(7)


ブラジル赴任当時の印象に残った話をまとめてみた。

22.  日本では経験できないことを、ブラジルでは多く経験させてもらった。
その中に一つに、デノミネーション(デノミ)がある。
ハイパーインフレが昂進して、レストランでの食事も札束を用意しなくてはならず、自ずと個人の小切手発行が増えてきた。

f0096068_6541715.jpg個人も当座預金口座を開設し、家内にも銀行にサイン登録をさせて、買い物などで小切手を発行した。
個人での小切手発行 も初体験だ。




私の給料が月額1億 に達したのもこの時期だ。
給料が1億と言う単位も初めてだ(円単位でないのが残念だが・・)。
そんな中で、突然政府が1,000分の1 のデノミを発表した。
実施と同時に、新通貨呼称の発表と新貨幣の発行を行ったが、国土も広く全国に出回るのには時間もかかり、自ずと新旧両貨幣の併用となる。
聞けば、インフレで桁数が増えたので、 政府のコンピューターの桁数が不足して デノミを実行したと言う噂もあったが、我々が日常業務で使用していたパソコンでも問題だったので、この噂には真実味があった。
勤務時代に、このデノミを3回経験した。
即ち、貨幣単位が10億分の1 になった事になる。

【通貨呼称の変遷は、(赴任時)クルゼイロ(CR$)→クルザード(CZ$)→  ノーボ・クルザード(NCZ$)→クルゼイロ(CR$)→レアル(R$)(現在)と僅か20年間で目まぐるしく変わった。】


23.   ブラジル時代に、米国のシティー・バンク やチェス・マンハッタン・バンク、f0096068_7536.jpg更に英国のロイズ・バンク などと取引をしたが、そんな中でそれぞれのお国柄を感じたのもこの頃だった。
シティーやチェスは米国最大手だけあってスケールも大きく情報量も非常に多く持っていた印象であったが、英国のロイズ・バンクには日本と同じような島国を感じさせる固さがあった。


f0096068_775372.jpgある時シティー・バンクから、米国とブラジル国の間で「スワップ取引」 の提案があり、興味を持って検討したが、取引の最低単位が1口(1口=100万ドル)以上と我々現地企業としては大口資金が必要で、しかもこの取引資金で、米国の中で新規起業する具体案がまとまらず諦めた。
この場合の「スワップ取引」とは、 米国企業がブラジル国内で資金を必要とし、ブラジル企業が米国内で資金を必要とした場合、資金の相互交換を行う取引を指す。この取引は、お互いにそれぞれ相手国内のシティー・バングに口座を開設し、米ドルは我々の米国口座に、クルゼイロは相手のブラジル口座に振り込むことになるので、双方とも国内取引で為替取引にはならない。
即ち、ブラジル中央銀行を介した正式な為替取引ではないので、 一種の闇取引 になるのであろう。
特に為替の自由化をしていないブラジルで、中央銀行の煩雑な手続きによる許可を必要としない取引なので、魅力的な手段だったかも知れない。
シティー・バンクだからこそ出来た取引方法なのだろう。
シティー・バンク以外は、ブラジル国内の現地法人だったが、シティー・バンクは何故か、ブラジル国内に設立した米国シティー・バンクのブラジル支店であったようだ。


24.   ある日、昼食後の休憩時間に、 保安係より 緊急連絡があり。
保安 :「二人組みの不審者が敷地内に侵入したので、保安詰め所へ連行途中に、彼らが隠し持っていた拳銃を発砲してきたので、応戦した結果、 2人を撃ってしまった 」
現場に急行して見ると、既に二人をワゴン車に乗せていたが、保安係りが伏せて撃っているので、一人は左の腋の下から入った弾が肩口から抜けて首に当り、血泡を吐いていた。
残りの一人は腰の辺りに 弾が当り唸っていた。
我輩 :「すぐに救急病院へ搬送しろ。それから警察へ連絡しなさい。」
報告を聞くと、当社の保安要員が敷地内を巡回中に、不審者を発見。
保安本部に無線連絡しながら二人組みの後ろ10mを歩いていたら、いきなり隠し持っていた拳銃を発砲して来た。
とっさに身を伏せて携行していた拳銃で応戦し、当方には被害なし。

f0096068_7292351.jpg当社の保安要員20名は、全て軍隊経験者 であり、銃の取り扱いには慣れている。
警察の現場検証と事情説明を終えた頃、病院から帰ってきた保安要員の報告では、血泡を吐いていた一人は病院で死亡、後の一人は腰の脊髄を損傷し、助かったとしても、今後は車椅子生活になるとの事。
この拳銃は38口径の回転式6連発のリボルバー なので威力はある。
警察の説明では、この二人は五人組の片割れで、その前に街道でビール会社のトラックを襲い、現金強奪して警察に追われていた犯人達で、たまたま二人が当社の敷地に逃げ込んできたようだ。
当社の敷地は253ha(2,530,000m2)と広く、コソ泥もよく出没していた。

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by wagahai_tt | 2009-05-08 07:34 | 印象深い事柄 | Comments(0)
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